暗中模索(あんちゅうもさく)
手探りで試すこと。
▶手がかりや糸口がつかめないまま、あれこれと考え、やってみること。暗闇の中で物を手探りする様子からきており、確信のない探究や作業をいう。
【例】打開策は暗中模索だ。
【類】暗中模捉(もそく)、五里霧中(ごりむちゅう)
【対】明明白白(めいめいはくはく)
暗雲低迷(あんうんていめい)
不穏な情勢
▶暗く重苦し雲が空に低く垂れこめていること。そこから、悪いことが起こりそうな不安な状態。先の困難が予測されること。
【例】今は暗雲低迷の時期だが、なんとか力を合わせて乗り切ろう。
【類】前途多難
阿諛追従(あゆついしょう)
こびへつらうこと。
▶他人にお世辞を言ったり、こびへつらったりして機嫌をとり、自分のことを気に入ってもらおうとすること。
【例】希望うぃ抱いて入社したのに、職場は阿諛追従の輩ばかりで、辞めたくなった。
【類】阿諛追随(ついずい)、迎合(げいごう)追従、世辞(せじ)追従
阿鼻叫喚(あびきょうかん)
むごたらしい情景。
▶悲惨な状況に陥った人々が、苦しみ、泣き叫んで救いを求める様子。悲惨でむごたらしいことのたとえ。
▶「阿鼻」は仏教でいう八大地獄の一つ、無間地獄のこと。「叫喚」は叫び、わめくという意味。
【例】事故現場は阿鼻叫喚の様相だ。
【類】死屍累々(ししるいるい)
悪口雑言(あっこうぞうごん)
ひどいわるくち。
▶あれこれとと悪口を言って、人を口ぎたなくののしること。また、その言葉。
▶「雑言」は悪口の意味。同じ言葉を重ねて意味合いを強めた表現。
【例】部下の失敗を責めたてる部長の悪口雑言は聞くに堪えなかった。
【類】悪口罵詈(ばり)、罵詈雑言
握髪吐哺(あくはつとほ)
逸材集めに熱心。
▶才能のある優れた人材を熱心に求めること。
▶中国の周公旦は、来客があったとき、入浴中であれば洗いかけの髪を握り、 食事中であれば口の中の食べ物を吐き出し、すぐに客を出迎えた。
【例】握髪吐哺して将来を担う人材を確保することが会社を発展させる。
【類】吐哺捉髪(そくはつ)
悪戦苦闘(あくせんくとう)
苦しい中での努力。
▶死にものぐるいの苦しい戦い。あるいは困難な状況にあって、苦しみながら努力すること。不利な状況に立ち向かうさまをいう。
【例】悪戦苦闘の末、優勝候補を敗る大金星を上げた。
【類】苦節十年(くせつじゅうねん)、苦心惨憺(くしんさんたん)、千辛万苦(せんしんばんく)
悪事千里(あくじせんり)
悪い噂ほど世間に広まりやすい。
▶悪い行いや評判は、隠していてもたちまち世間に伝わっていくものだということ。
▶「好事門を出でず、悪事千里を行く」から来た語
【例】悪事千里を走る、もはや信用が失墜した。
悪逆無道(あくぎゃくむどう)
人道に背く悪事。
▶人の道にはずれたひどい悪事。道徳にそむく残酷な行為。また、そのような行いをすること。
▶「悪逆」とは十悪の一つで、父母や主君を殺すような大罪。「無道」は人の道にはずれることで、「ぶとう」とも読む。
【例】悪逆無道の振舞いは許せない。
【類】悪逆非道(ひどう)、極悪(ごくあく)非道、大逆(たいぎゃく)無道、暴虐(ぼうぎゃく)非道
悪因悪果(あくいんあっか)
悪い行いをすれば、必ずその報いとして悪い結果が伴うということ。悪いことをしないように!という戒めの語。
▶「悪因」は悪い原因、「悪果」は悪い結果。
【例】自分がひどい目に遭って、悪因悪果の法則を身をもって知りました。
【類】因果応報(いんがおうほう)、自業自得(じごうじどく)、自縄自縛(じじょうじばく)
【対】善因善果(ぜんいんぜんか)
曖昧模糊(あいまいもこ)
曖昧であやふや。
▶ぼんやりとしていて、紛らわしい様子。物事の本質や実態がはっきりしない状態。
▶「曖昧」も「模糊」も同じ意味で、二つの言葉を重ねることによって、より強調したもの。
【例】この報告書は曖昧模糊としていて肝心なことが分からない。
【類】朦朧(もうろう)模糊、五里霧中(ごりむちゅう)
【対】一目瞭然(いちもくりょうぜん)、明々白々(めいめいはくはく)
愛別離苦(あいべつりく)
別れの苦しみ。
▶愛している人と生き別れたり、死に別れする際の苦しみ、悲しみ。
【例】愛し合う二人でも愛別離苦からは逃れられない。
【対】怨憎会苦(おんぞうえく)
合縁奇縁(あいえんきえん)
不思議な縁
▶縁は異なもの奇なもの。人と人との交わりは、縁と言う不思議な力で導かれ、気が合うのも気が合わないのも、仏教で言う因縁によると言う事。
▶夫婦、恋人など異性関係について使う事が多いが、友人や先輩後輩など、親しい間柄についても言う。
▶「合縁」は“愛縁”“相縁”、「奇縁」は“奇縁”とも書く。
【例】君のようにウマが合う人と巡り合ったのは合縁奇縁というものだ。